終戦から一年半―――
わたし……、カガリ・ユラ・アスハは、オーブ代表としてあわただしい日々を過ごしている。
しかし、プラント最高評議会議長だったラクスは半年ほど前に引退した。
引退の理由は婚約…、もとい妊娠……。
そう…、わたしの弟キラが全ての原因だ。
それもいわゆる【できちゃった結婚】って奴だ。
この事実を知った直後は素直に喜んだが、冷静に考えればキラのやった事はとんでもない事だ!
そりゃ確かにキラとラクスの事は、わたしも良く知っている。
それでも、当時のラクスは最高評議会議長。
そのラクスと【できちゃった結婚】なんて、スキャンダルなんてレベルの話じゃない!
しかもキラの奴、自分の存在を隠す為にとはいえ、アスランを当事者に仕立て上げた!
お陰で引退表明直後はオーブ官邸にマスコミ連中が群がって、その処理にどれだけ手を焼かされた事か!
でも…、まあ…、それでもキラはわたしの弟だ……。
弟の幸せを護るのは姉であるわたしの務め。
すぐさまわたしの権限で緘口令を引いた。
それとラクスの跡を継いだイザークもわたしと同じような事をしてくれたお陰で、事態は一ヶ月もしない間に終息してくれた。
事態が治まれば後は平和なものだ。
プラントの関係は非常に良好で、地球各国とも良好な関係が構築され、わたし達が望んでいた世界が着実に実現していっている。
そんな日々の中、一番めでたいのは、つい前日、キラとラクスの子供が産まれた事だ。
産まれたのは女の子。
どちらかと言えばラクスに似ていたな。
幸いな事に母子共に健康な状態で出産して、程なくラクスと子供は退院し、今はマルキオ導師の家で穏やかな日々を過ごしている。
そして今日、わたしはマルキオ導師の家を訪れている。
久々にとれた休暇を利用してキラとラクスの子供を見に来たのだ。
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