カリダの言葉は本当に穏やかで、一切後ろめたさを感じさせないものだった。


しかしカリダが告げ終えるや、四人を包む空気は一瞬にして凍りついた。


「ちょ……」


「待ってください!」


突然、バンと激しくテーブルを叩き付ける音と、金きり声がリビングに響き渡った。


その音と声に、キラの出かかった声が絶句に変わり、驚きを隠しえない表情でその方向を見る。


キラの視線の先は、キラの隣に座っていたラクス……。


「どういう事なのですか! お義母さまっ!」


ラクスは光を失った瞳をカリダに向け、叫ぶように訴える。


「何のご相談もなしに……。わたくしの何が至らないのですか……っ!」


「ラクス。少し落ち着いて」


取り乱すラクスとは対照的に、カリダはとても落ち着いた様子でラクスを諭す。


「確かに相談しなかった事は悪かったわ。でも、決してラクスが悪いとか、そういう事じゃ……」


「いいえ! はっきりと申してください!」


ところがラクスは完全に我を忘れ、ボロボロと涙を零しながら懸命に訴える。


「わたくしはお義母さまとなら、絶対に上手くやっていけると思って…、いいえ……。今まで上手くやってこれたと自負しております。


ですのに突然のお言葉…、どう考えましても、わたくしに落ち度があったとしか考えられませんわ……っ!」


「だから、そういう事じゃなくて……」


「お願いですからわたくしの至らない所を申してください! 絶対に直しますから、どうかお考えを改めてくださ…い……」


「ひどいよ、母さんっ!」


今度はキラがテーブルをドンッと叩きながら立ち上がり、泣きじゃくるラクスをしっかりと抱きとめ、鋭い視線を向けながらも涙声で訴えた







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