凱旋門賞 決戦終えて
ディープインパクトは3着に終わりました……
しかし! 一番強いレースをしたのは間違いなくディープだと私は心から思っている。
では、簡単にレースを振り返っていきましょう。
スタートは懸念していた事が現実になってしまった……。
少頭数&内枠が災いし、押し出されるように前に行く事になる。
しかしながら、一番懸念していた暴走はなかった。
いや、それどころか完璧に折り合っていたと言っていい。
レースは案の定、超スローペース。
坂の頂上付近で、シロッコが掛かり気味に進出しディープと接触。
それでもディープは掛かることなく、終始折り合った状態で3コーナーへ。
その際、ユタカはさりげなくハリケーンランを内へ閉じ込めにいっている。
目下の敵をしっかり封じにいくあたり、さすがはユタカである。
フォレスストレートに入り、徐々にギアが入っていくディープインパクト。
この辺りでシロッコの脚色が明らかに鈍り、敵はハリケーンランただ1頭になる。
そして直線。
ラスト400mまでユタカは持ったまま。
この時、NHKに出演した岡部お爺ちゃんも「まだだ!」と声に出している。
あのお爺ちゃんがTVで、それも自分から声を出すのだから、
お爺ちゃんも完全にレースにシンクロしていたのでしょう。
そしてユタカの腕が上がり、トップギアへ。
シロッコは完全に脚が上がり、ハリケーンランもキングジョージの様な盛り返し気配はない。
この時、誰もが「勝った!!」と思っただろう。
しかしながら、ここから凱旋門賞の魔物がディープへ襲い掛かった。
いつもなら翔ぶところが、思った以上に翔ばない!
ラスト200m、ディープを完全マークしていたレイルリンクが満を持してディープへ襲い掛かる!
ディープもしぶとく伸びている!
だが、伸びてているが翔んではいない!
ラスト100m レイルリンクがディープを抜きさりそのままゴール……
最後はプライドにもかわされ、3着となった……
新聞のコメントを一通り見てみたが、ユタカ曰く、
「トップギアに入りきれなかった……」とある。
普段の競馬が出来なかった事もあると思うが、やはり個人的には斤量だろう。
勝ったレイルリンクは56kg
対して、ディープインパクトは59.5kg
当然の事ながら、軽い斤量の方が伸び足が良い。
いくら宝塚記念で58kg+雨の水分(おそらく0.5kg前後)の経験があったとは言え、
440kg前後のディープには重すぎる斤量だったかもしれない。
また、一般的に斤量差1kgで3〜4馬身変わると言われている。
単純計算で10馬身、この斤量差はいかんともしがたい物がある……。
それと2着に入ったプライド。
これは牝馬ながら58kgを背負っているが、欧州の牝馬の場合ごく普通の斤量と言っていい。
なにしろ欧州の通常重賞では、GTタイトル所持だけで最低3s、最大で5kg余計に乗せてくる。
【鋼鉄の女 トリプティック】も、現役時代普通に57〜59kgの競馬を強いられ、
もっと遡れば、【生涯不敗 キンツェム】に関しては、平気で60kgオーバーで競馬しているほど。
欧州の牝馬は完全に斤量慣れしている。
また超スロー&団子状態&有力馬が牽制しあった展開。
最後方でじっくり脚をためる事が出来た事は容易に察する事が出来る。
一方は斤量の利、もう一方は完璧なまでの展開の利。
そう考えれば、間違いなくディープが一番強い競馬をしたと断言して良い。
だが、強い馬が必ずしも勝つ事がない。
これが競馬の妙味であり、深さであり、不条理でもある……
ディープインパクトには心から「お疲れさま」と言ってあげたい。
結果、負けてしまったが、ラスト100mまでは世界最強の馬だったのだから……
予定では有馬記念ではあるが、状態次第ではJC出走も充分にある。
府中2400mならば、ディープは絶対に負けない!
ハーツクライだろうが、ダンシングブレーヴだろうが、ラムタラだろうが絶対に負けねぇ!
最後に凱旋門賞をみたファン全員の気持ちを代弁しよう……
これで勝ったと思うな! 欧州競馬関係者!!
必ずや3.5kgの差を打ち破るからなぁぁ!!
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