身も心も疲れきった社内旅行からの家路……。
《生まれて初めてだよ、心身が疲れきる旅行なんてさ……》
家まで残り数分の所で、我が相方であり盟友である熊鉄氏から電話がかかってきた。
普通、電話が繋がれば「もしもし」とか「まいど〜」とか言うじゃないですか?
もちろん、私はちゃんと「もしもし」と言った。
しかしながらこの日、熊鉄氏の開口一番がこれだ……
「四位はいっぺん死んだ方がいいNE!!」
はい。もう、何の話か一発で分かりました♪
でもって、桜花賞で何かをやらかしたバカが一人いることも分かりました♪
帰路だったので手短に話は終わったが、熊鉄氏は2つのキーポイントを教えてくれた。
でもって帰宅後、熊鉄氏のポイントを頭に入れてVTRを見ると……
兄貴のお怒りはごもっともだ……
結果ウォッカは2着。まあ、予想編で書いたとおりウォッカの連軸は鉄板だった。
それでも、ウォッカの単勝&馬単&3連単1着軸固定買っている人は……
グラスハートに抹殺依頼してもいいね!!
では今回、四位のアホが何をやらかしたか?
JRAのHPにあるVTRをすぐに見れるようにしながら解説を見てください。
《解 説》
まあスタートはいい。
道中もあの位置で間違いないし、折り合いもちゃんとついている。
でもって動き出すタイミングも、まあ問題ない。
ただチューリップ賞と比べて行きっぷりが良くなかったが、全然許容範囲内。
そして4角からラストの直線……
ウォッカ、外へ弾かれる!!
次に内へ思いきりササる!!
ラストまで全然真っ直ぐ走ってねぇぇぇ!!
これが熊鉄氏1つめのキーポイント。
もうね。パトロールビデオ見て、唖然としたわ……
そりゃ四位と言えば、馬の能力に物を言わせる騎乗&公務員騎乗が十八番の騎手だ。
それでもだ! あれだけ進路が開いている&他に馬がいない状態で真っ直ぐに追えない……。
てめぇ、一体何年騎手やってんだぁぁ!?
とは言っても、これが起きた一番の原因である【外へ弾かれた】
ここに今回の桜花賞の明暗を分けた一番のポイントがある。それが……
アンカツ、老獪にして完璧な騎乗
まずはスタート。
スタート直後、いきなりアストンマーチャンが外によれて被害を被りかける。
しかしながらアンカツは冷静にアストンの動きを見極め、すっとアストンの後ろへ付ける。
馬の精神力もあるだろうが、無傷で位置取りを完了させた所がお見事。
でもって問題の直線入り口。
ウォッカが外から被せてきたその時、アンカツはダイワスカーレットを体半分だけ外へ移動。
結果、ウォッカは外へ弾かれ、立て直しに労力を割かれる事に……
ところがダイワは、何事もなかったようにそのまま一気にスパート!!
外へ弾いた事でおよそ半馬身、四位のアホ騎乗で約1馬身半。
その間、およそ50mでの出来事。
その50mで2馬身もマージン取ったのだから、完全に勝ち一本である。
ちなみにウォッカとダイワの上がり3ハロンのタイムは同じ(33秒6)
ウォッカが真っ直ぐ走ってりゃ、少なくとも0.2〜0.3秒は違っている。
あの状態ならばウォッカがぶち抜くことはなくても、併せ馬になって相当際どい勝負になっていた筈。
まあ逆を言えば、あれだけヘタクソに乗られてもまだ差を詰めてきたウォッカはやっぱり強い。
オークスで斬るという愚行は、よほどの事がない限り出来ない。
もといオークス本番、ちゃんと追える騎手に乗り変わるならば1着軸固定でいい。
対してダイワスカーレットはオークスでの距離不安が垣間見えた今回レース。
兄貴であるダイワメジャー同様、後ろの馬の脚を使わすレースがこの馬の持ち味。
消耗戦に持っていくと、ラスト200mでバタッと脚が止まる危険性がある。
かと言って瞬発力勝負だと、どうしてもウォッカの後塵を拝む事になってしまう……。
また血統背景的に見ても2400mは長い。超Sペースという展開の助けが必要になるであろう。
オークスに向けて気になったのは4着のローブデコルテ。
スタートで後手を踏んだが、道中はしっかり折り合い、ラストの切れ味もかなり良かった。
また無事に権利も取れたので、万全の状態でオークスに挑める。
馬体を見ても、まだまだ上昇の余地が残っている。
アストンマーチャンはスタート直後に派手に引っ掛かったのが……
まさか、あそこまで派手に引っ掛かるとは予想外だった。
しかし7着ながら、ラストの直線で見せ場を作った。
レース内容から見ても、次は間違いなくNHKマイルC。
もう少しテンが早く流れれば充分に折り合いもつく筈。NHKマイルCでは中心か。
公営のエミーズスマイル。よもやの15着大敗……
負けるにしても、派手に負けすぎである。
ローテ的に見ても、権利取りはスイートピーSの筈。改めてレースを見る必要あり。
片や馬の能力のみに物を言わす騎乗をしたアホ。
片や、馬の能力を最大限に引き出し、腕で相手を封じた名手。
それが今回、1馬身半という決着になった訳である。
馬の能力が決定的能力差でない事を証明したレースである。
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