ブエナビスタ
スペイン語で【絶景】と意味する言葉……








確かに今回の勝ちっぷりは去年の天皇賞(秋)に匹敵する絶景だったよ。

でもなぁ…、だけどなぁ……



【絶景】って言葉はなぁ……




























絶体絶命の光景


絶望的な光景







って略語じゃねぇぞ、アンカツぅぅぅぅ!!!


























パドックから見ていたが、馬体は少し腹のラインが巻いている様に見えたが全然許容範囲内。
トモの筋肉の付き方や歩様も実にスムーズで、普通に勝てると確信していた。




っでゲートオープンはしっかり5分の発走。
もっともアンカツは全く仕掛けず馬に任せて、いつもの定位置に陣取る。

まあ、これはいい。
上の兄弟達と違って、本当に気性がおっとりしているのでこれは納得できる。
事実、折り合いは完璧だったし、仕掛けてからの反応は抜群だった。
問題はアンカツの騎乗内容だ……








何度もパトロールビデオを見たが、
何度も大外まくりに出るタイミングも、イン進出も強襲するタイミングもあった。
ペースも61秒ジャストと、予想通りのペースで何時動くかワクワクして待っていた。




ところが大ケヤキを過ぎても動き始めない!?
その時は「やっぱイン伸びだからインを突くんだな」と楽に考えた。
しかしアンカツが取った進路は外!?
しかも動き始めは3〜4角の中間。大外一気仕掛けるには明らかに遅すぎる仕掛け!!




直線向いたとき、先頭との差は目視した感じで10馬身以上ある!!
それどころか、レッドディザイアが絶好の位置にいて何時でもGOできる状況!!

事実、すんなりGOサインを出したレッドディザイアは残り200mで抜け出し、
完全に独走態勢へと持ち込む。その差は4〜5馬身!!




現在の府中の馬場状態&レッドディザイアの脚色を見て、誰もが思った筈……























ブエナビスタ、オワタ\(^o^)/








っが、次の瞬間、我々は衝撃的光景を目の当たりにする。

フル加速したブエナビスタが、絶好の脚で突き抜けたレッドディザイアに迫る。
アンカツが手綱を押すたびに、その差がどんどん詰まっていく!
そして…、ゴール板手前できっちりハナ差捕らえた!!



写真判定にはなったが、体勢は明らかにブエナビスタ有利の状態で駆け抜けた!!
着差はハナ差だけど、誰が見ても【絶対に越えられない】ハナ差だ……
100回やり直しても着差が広がっても決して逆転できない、そんな絶望的ハナ差だ……






















事実、レッドディザイアの四位は奇跡的神騎乗だった。

スタート絶好。すんなりインに陣取り、道中の折り合いも完璧。
最後の直線入り口も、『本当に四位かよ!?』と思えるぐらい一発で絶好の進路を確保。
抜け出しても遊ぶところは一切なく、最後まで脚はしっかり伸びている。
でも負けた…、ラスト1mで絶望の底へと叩き落された……




四位もショックだろうが、一番ショックなのは松永幹夫調教師(ミッキー)だよなぁ……
開業3年目であれだけの馬を預かって、完璧に仕上げて、完璧に乗ってもらって……
言葉には絶対に出さないだろうが、ミッキーは心底思ってるだろうなぁ……















秋は凱旋門賞へ行け!
っで、そのまま日本に帰ってくんなぁ!!





もう、ここまできたら同世代に生まれた不運とかの次元超えてるからなぁ……
























再びブエナビスタに話を戻すが、こいつの能力の根幹にあるのは異常なまでの心肺機能の強さ。

桜花賞も無茶苦茶なレースだったが、今回はそれを遥かに凌駕した無茶っぷり。
にも関わらず、ウイニングランの時には完全に息が整っていやがった……

言い方を変えれば、まだ1段階…、下手したら2段階エンジンが掛かる……
もとい冗談抜きで、ディープインパクトの様に上がり1000mを55秒台で走れると思う。
《上がり1000m55秒台=1ハロン11秒前半走行》






しかも、性格が非常におっとりしてるので長い距離は全く問題ない。
レース前に放馬したワイドサファイアとは正反対で、あの大歓声でものほほんとしてたし……

あれだけ走りが綺麗なので滑る馬場は危険だが、力のいる馬場は既に阪神で実証済み。
冗談なしで、この馬なら凱旋門賞勝てるんじゃないのかと思う……
力勝負でこの馬を負かせるとしたら、それこそ去年のザルカヴァぐらいじゃないかなぁ……
《ザルカヴァ:去年、無敗で凱旋門賞を制した21世紀最初の名牝と称される名馬》
























それでも、まさかここまで心臓に悪いレースを見せられるとは夢にも思わなかった。
特に桜花賞を現地で見ているのであれ以上の駄騎乗を、それもアンカツがやらかすとは……

これで負けていたら【競馬に絶対はない!】と言わしめるレースだっただろうが、






【競馬にも絶対がある!!】



それを、これでもかと言わんばかりのレースだった。















話が逸れるが、ブエナビスタって本当に綺麗な馬だよなぁ〜〜

ウオッカも強いけど、ウオッカって走り方が完全に肉食獣でちょっと怖いんだよなぁ〜〜
ダイワスカーレットの場合はどっちかというと力強さが先行しているし。
それにウオッカ&ダスカは500kg近い馬体だから威圧感が先行するんだよね〜〜




末脚だけならスイープトウショウもいるけど、あれは性格が沢○エ○カ(特に晩年)だったし。
過去を見てもヒシアマゾンも肉食獣だったし、シーザリオも体でかかったし……




450kg前後のいかにも牝馬の体つきながら、全身から溢れ出る気品。
いくら見続けても決して飽きる事がない綺麗な走り。
普段は手を焼かせない、おっとりとした気性
それでいてレースに行けば、比類なき勝負根性見せる強さ。




長年競馬やってるが、見た目でもレースでもここまで惚れさせられたのはエアグルーヴ以来だ。
ってか、非SS系の種牡馬たちがあのレースを見ていたら……












\ブエナビスタ、オレだ! 結婚してくれ!!/




って絶対に叫ぶ。
もといクロフネやシンボリクリスエスとか、マジで叫んでいそうだwww

















去年の天皇賞(秋)が終わった直後に思ったのが、




「これだけの牝馬を越える馬が出るのは、あと何十年後の話かな……」




だったが、まさかウオッカが現役張ってる時に、これだけの名牝が現れるとは……
これだから競馬は辞められない。

この先、ブエナビスタは我々競馬ファンにどれだけの【絶景】を見せてくれるのだろうか???
とにかく無事に…、無事にこれからの競争馬生活を送ってもらいたい……




ただ…、1つだけ注文つけるならば……
























頼むから心臓に悪いレースを続けないでくれ!!






今回、ブエナビスタ心中馬券買ってた人間は、間違いなく寿命が縮んだぞ!!













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