この話は、お酒の席がネタの話になっています。
話は1次会と2次会です。
色々と視点が変わり、読みにくくなってしまいますがご了承ください。
《ホンマ、文才欲しいわ…_| ̄|○》
ちなみに、話のネタ原案者の内訳は、
1次会(失笑王様)
2次会(夜流田さん)
尚、2次会が内容が過激になる事は間違いかと……
ではでは、まずは1次会へ突入いたしましょう〜〜〜♪
《キラ視点》
今日はマリューさん提案の元、皆で飲みに行く事になった。
メンバーは幹事のマリューさんにムウさん。
ボクとラクスに姉さん、それとアスラン。
2次会からはシンとルナマリアが合流する事になっている。
皆で楽しくお酒を飲む、思えばそういう機会は一度もなかった。
だから、マリューさんの提案は素直に嬉しいし楽しみである。
でも、正直ボクはあまりお酒が飲めない……
いっつもお酒を飲むと、ラクスに介抱されてしまっている……
それはそれで、お酒を飲む時の一番の楽しみなんだけど今回は皆と一緒。
酔いつぶれて皆に迷惑かけないようにしなくちゃ。
っと、そんな事を思いながら飲み会が始まったのだけど……
「ほら、キラ君。今日は遠慮しなくていいからね♪」
「マリューさん…、もう飲めないですよ……」
開始直後から、何故かマリューさんに絡まれて次々とお酒を注がれていく。
ボクはゆっくり飲んだり、席を離れようとしたりしたけど、
「キラ君。お姉さんのお酒が飲めないの?」
逃げようとするボクをマリューさんはがっしり捕まえて全く離そうとしない。
ラクスに助けを求めようと思っても……
『ムウさんに捕まっているからな……』
ボクはじろりと、ラクスの隣に座るムウさんを見る。
ムウさんは、ラクスのお酌を受けてすっかり上機嫌。
かと言って、姉さんやアスランに助けを求めようとしても向こうは向こうで、
「カガリ! ビールと焼酎を混ぜて飲むな!」
「うるさい! わたしがどう飲もうが勝手だろうが!」
完全に自分達の世界に入っちゃて、干渉の余地などない。
そりゃ、普段では絶対に見れない皆を見ることが出来て楽しいけど……、
ボク、そろそろ本当にヤバイんですけど……
《ムウ視点》
今日は坊主達と飲み会。
その会の首謀者はマリュー。
曰く、『たまには皆と一緒に楽しく過ごした』と言ってたが、それは大嘘だ。
とにかくマリューの酒量は常人の測れるレベルじゃない!
俺もそれなりに飲める口だが、マリューには到底かなわない。
もとい昔、マリューを酔い潰そうとしたが見事に返り討ちにあった事がある……
そんな酒飲みのマリューが飲み会を開くという事は、純粋に酒を飲みたい為。
当然、1次会で終わるはずがない。
2次会から3次会…、下手すりゃ朝日を拝みながら飲む羽目になっちまう……
そんな事になれば、俺の懐も肝臓ももたん!
ってな事だから、始まる前に一計を講じた。
それはマリューに……
『キラ、凄く面白い酔い方するぞ』
っと、囁いてやった。
『悪いな…、キラ……』
俺はマリューに絡まれるキラを眺めながら、のんんびりと酒を飲む。
目論見どおりマリューはキラに張り付き、どんどん酒を勧めている。
陥落するのは時間の問題だが、次はアスランを差し出せばいいだけの事。
とにかく俺は、身の安全の保障が欲しい!
「ムウ様」
ふと、隣から声が聞こえ振り返るとお姫さん、もといラクスが少し寂しそうに俺の隣に座っているじゃないか。
「どうした、お姫さん?」
「マリューさんにキラを取られてしまいまして……」
「はは、なるほどな」
俺はお姫さんにグラスを持たせ、テーブルのビール瓶を手に取り、ビールを注いだ。
「俺でよかったら相手になるよ」
「はい。ありがとうございます」
お姫さんは嬉しそうに微笑むと、グイッと一気にビールを飲み干した。
「では、ムウ様も♪」
今度はお姫さんが俺のグラスにビールを入れてくれた。
当然、グイッと飲み干し、軽く笑い返す。
「あらあら♪ 見事な飲みっぷりですこと♪」
「そういうお姫さんこそ、いける口なのか?」
「はい。お酒は大好きですわ。ただ、いつもはキラの介抱があるので多くは飲んでいませんが」
あらら……
ここにも大酒飲み候補生が一人……
しかし、まあ流石にマリューほどは飲まないだろう。
それに、冷静に考えりゃ……
『お姫さんを肴に飲むのも悪くないな♪』
マリューには悪いが、たまにはいいでしょ♪
俺はもう一度、お姫さんのグラスにビールを注いだ。
《アスラン視点》
今日はラミアス艦長に誘われての飲み会。
当然、カガリも一緒……
『はあっ…、またカガリの面倒を見なきゃいけないのか……』
正直、気が重い……
俺を憂鬱にさせるのは、カガリの酒癖の悪さ。
少しでも酒が入ると、喋る声が大きくなる。
酔いが回り始めると、ペースを無視して一気に酒を飲み始める。
しかも、俺には到底理解できない飲み方までし始める。
具体的には……
「カガリ! ビールと焼酎を混ぜて飲むな!」
「うるさい! わたしがどう飲もうが勝手だろうが!」
これである……。
どういう理由か定かではないが、カガリは別々の酒を混ぜて飲む癖がある。
ビールに焼酎。ビールにウイスキー。
まだビールがベースになっている時はまだいい。
酷い時はウイスキーを焼酎で割ったり日本酒で割ったりする。
一番酷かったのは、ウォッカにジンを混ぜた時……
「カガリ! 皆の前で、そんなみっともない酒の飲み方をするな!」
「ほっとけ! 美味いんだから文句言うな!」
美味い? そんな訳ないだろう!
確かに俺はそれほど飲める人間じゃない。
だからこそ、飲む時は少量だがじっくり酒本来の味を楽しんでいる。
はっきり言って、カガリの飲み方は酒に対する冒涜だ!
「ほっとけるか! 今日と言う今日は言わせてもらうぞ!」
俺はカガリから酒を取り上げ、机をバンっと叩いた。
えっ、キラ達がどうなっているかって?
そんな事など気にしている場合か!
開始から2時間後―――
「ちょっと、ムウ?」
マリューはグラス片手に持ちながら不機嫌そうに言う。
「あなた…、嘘言ったでしょ……?」
「な…、何の事だ……?」
「これよ、これ」
マリューはそう言いながら空いている手でテーブルの上に転がっているものを小突く。
「何が面白い酔い方をするよ? 全然面白くなかったじゃない?」
「お…、おかしいな……」
棒読みの様に答えるムウの視線はマリューとは全く違う場所を見ている。
『仕方ない…、次の生贄を…って、おいおい……』
ムウは向けた視線の先を見て軽く鬱が入る。
視線の先には弟と同じように酔いつぶれたカガリと、そんなカガリに押し倒された格好になっているアスランが……。
『そういう事はもっと違う場所でやるもんでしょう……?』
生贄は既に生贄になってしまっている。
これでは必然的に生贄になるのは自分しかいない。
これが運命なのか……
ムウは覚悟を決めようとしたその時、ムウの携帯電話が鳴った。
『誰だよ…、こんな時……???』
半ばヤケ気味の状態で見た電話の着信名に少し驚く。
電話をかけてきているのは意外にもメイリンだった。
「はいはい。どうしたんだい?」
ムウは電話に出て、やり取りを数度行い、電話を切った。
その時のムウは、何故か救われたような表情を浮かべていた。
「ムウ、誰からの電話?」
マリューはムウの表情を怪訝そうに見ながらも酒を飲みながら訊ねると、
「メイリンのお嬢ちゃんからだ」
ムウはわざとらしく肩をすくめ答える。
「シンの奴、また仕事でミスやらかして来れなくなったんだとさ。っで、やつの代わりにメイリンが来るってさ」
「あら。それは残念って…、じゃあ来るのはルナマリアさんとメイリンさんって事?」
「そういう事。っでだ……」
ムウはラクスに顔を向け、おどけた表情で言う。
「二次会は女同士で飲むってのはどうだい? 女同士の方が気兼ねしなくていいし、キラは俺がちゃんと家まで送るからさ?」
「あらあら♪ それは名案でございますわ♪」
ラクスはポンッと手を叩き、マリューを見る。
「マリューさん。折角のムウ様の申し出ですわ。二次会は女同士で飲みましょう♪」
「そうね。確かにいい考えだわ。だけど……」
マリューはギロッとムウを睨む。
この話の流れ、間違いなくムウがこの場から逃げる為に仕向けた事。
その証拠にムウは先程から一切マリューの顔を見ようとしない。
しかしながら、女同士で飲む方が気兼ねしない事は確か。
またここまでのラクスの飲みっぷりを見ているマリューは確信めいたものを感じていた。
『ラクスさん。相当、飲めるみたいね♪』
マリューはにっこりラクスに微笑みかける。
「分かったわ。折角だから二次会は女同士で飲みましょうか」
「はい。分かりましたわ♪」
ラクスもほろ酔い加減のいい表情で微笑み返し、その表情のままムウを見る。
「今宵はムウ様のご好意の預かりますわ。ですのでキラの方は……」
「ああ、任せておけって♪」
ムウも満面の笑みで応える。
あと少しで修羅場になりかねないこの状況から無事に逃げる事が出来るのだ。
嬉しくないはずなどない。
っが、その時だった。
「ムウ?」
マリューは鋭い視線をムウに向けながら人差し指で強くテーブルを叩きながら言い捨てる。
「帰る前にここに出しなさい」
「えっ? あっ…、ああ……」
既にムウの顔に笑顔などない。
半ば諦めた顔で懐から財布を取り出す。
云うまでもなくマリューはこの席の酒代を要求している。世間で言う途中退席料というものだ。
だが、ムウの財布がマリューの目に入った瞬間、
「それごと置くのよ」
「えっ……!?」
「えっ、じゃないわよ!!」
怯えるムウにマリューは容赦なく言葉を浴びせる。
「キラ君を身代わりにした罰よ! ラクスさんに対する迷惑料も入ってるのよ!」
「ちょ…、ちょっとちょっと……」
ムウは横目でラクスを見ると、ラクスは首を横にふるふると振っているが、
「何か文句あるの?」
マリューはさらのムウを睨みつける。
その瞳に光も、人間の体温も感じられない……
『これ…、カツアゲだよな……』
そう思いながらもムウは言葉にする事はなく、無言で財布をテーブルの上に置いた。
マリューに歯向かう。そんな選択肢などムウの辞書には存在しない……
「もう。素直に出せばいいのに…、ねえ、ラクスさん♪」
「はい。その通りですわ♪」
マリューとラクスは最高の笑顔で手元のグラスの酒をくいっと飲み干した。
そしてムウは……
『もう二度とお前等とは飲みに行かねぇからな……っ!』
心の中でぐいっと涙を飲んだ……
《あとがき》
1月に応募していたリクエスト小説です。
リクエスト者は【失笑王さま】本当にありがとうございますw
そして…、今頃の更新になってしまいまして本当にごめんなさい!(心から土下座)
ちなみにいただいたお題は…
《リクエスト内容:キラ・ラクス・アスラン・カガリ・マリュ−(幹事)・ムウでの飲み会》
えぇ〜、ネタがお酒という事で色々と思案しました。
普通の飲み会にしようかと思いましたが、いつもどおりネタ街道を走ることにw
ちなみに各キャラにはそれぞれコンセプトがあります。
キラ:潰される人(標的とも言うw)
ラクス:いかなる状況でもマイペースで飲める人
アスラン:酔った奴に絡まれる人
カガリ:自分の限界を全く把握しておらず、必ず酔いつぶれる人
ムウ:色々な酒の席を経験している人&傍観者
マリュー:酒豪にして暴君(えっ)
絶対に誰もがこの6人のどれかに当てはまる筈!
皆さんは一体誰なのでしょうかw
《夜流田さんはムウさんタイプ。潰れる奴の過程を見ながら飲むのは楽しいのよw(おい)》
えっと…、この際なのでぶっちゃけます…。
この話、9割実話です…。
ってか私の先輩にマリューさんタイプいます…、鬼です…
マリューさんタイプに出くわした人は諦めて潰れましょう。これがある意味で損害少ないですので!!
そして間違えてもマリューさんタイプに幹事を任せないように!
さて、お次の2次会。
2次会はこの話を考えている過程で思いつきました。
近日中にUPしますのでお楽しみにw
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