「だけど、羨ましいよね〜」
ミリアリアはコーヒーカップで口元を隠しながら、声色を弾ませた。
「羨ましいって、何がだ?」
対し、カガリはコーヒーカップを置いたままきょとんとミリアリアの顔を見ている。
「キラよ♪」
「キラが…、どうかしたのか……?」
「キラがカガリの弟って事よ♪」
「……、はいっ???」
ミリアリアが何を言おうとしているのか、カガリには全く分からない。
「だ〜か〜ら〜〜〜」
ミリアリアはカップを置くと、くすっと笑い、指でカップを軽くはじいた。
「キラのお姉さんであるカガリが羨ましいって言ってるのよ♪」
「どうしてだ?」
「もう〜、照れちゃって♪」
ミリアリアは本当に意味が分からないでいるカガリを楽しそうに眺めながら、とても楽しそうに言った。
「普段は女の子みたいで全然頼りない様に見えるけど、ここって時はとっても格好よくて頼れるところとかぁ〜♪」
「はっ…、はぁぁ〜〜〜???」
「素直で優しくて、言う事は何でも聞いてくれるところとかぁ〜♪」
「お…、おい、ミリアリア……?」
「でも、守ってあげないといけないと思っちゃうところとかさぁ〜〜♪」
「ちょ、ちょっと待てミリアリア!?」
カガリは頬を真っ赤に染め上げ、ミリアリアの言葉を遮った。
「た…、確かにわたしはキラの姉だ。だが、おまえの言っている事はわたしではなくラクスに言う事じゃないのか?」
「ラクスはキラの恋人じゃない? あたしが言ってるのは、お姉さん甲斐があるカガリの事よ♪」
「お姉さん…、甲斐……?」
「実際いいものでしょ? キラのお姉さんって♪」
「そ…、それは……」
楽しそうに喋るミリアリアにカガリは何も言い返さなかった。
逆に、姉として見るキラの事を思い浮かべた。
確かにキラほど【弟】という言葉がピッタリ当てはまる奴はいない。
それでも……
「そうでもないぞ……」
カガリは少し肩をすくめ、それでも柔らかな笑みを浮かべ誇りを持って答えた。
「あいつは…、出来すぎた弟だ……」
「そうかもね」
ミリアリアも穏やかに微笑み、再びカップを手に取った。
「でも、自慢の弟でしょ?」
「ああ……」
カガリはそっと胸に手を当て、もう一度キラの事を思い浮かべた。
キラはわたしの弟……
危なっかしくて、訳わかんなくて、泣き虫で
そのくせ、変に頑固な所があって手を焼かせて……
でも誰よりも優しくて、いつもわたしを遣ってくれて
誰よりもわたしの事を思ってくれる……
わたしに残されたった一人の肉親。
そして、わたしが胸を張って誇れる……
最高の弟だ……
《あとがき》
間接的カガキラを書いてみました。
『カガリ(姉)・キラ(弟)』派の私としては、こんなシーンがあってもいいんじゃない? と思いました。
カガリの相手がラクスではなくミリィにした理由は2つ。
1つは、ラクスが相手だと姉としての本心がでないのでは? と思った為。
もう1つは、単純にミリィが書きたかったから♪
実際、キラが自分の弟だったらどうなんでしょ?
私の場合だと、確実に悪い事ばっかり吹き込んでしまいますけどね(苦笑)
皆さんはどうなんでしょうか?
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