<ダーダネルスで天使を見ました。赤の騎士(ナイト)も姫を探しています。どうか連絡を―――ミリアリア>


『赤の騎士…?、って!?』


間違いない!


赤は赤服の事だ。


そして騎士は…、わたしだけの……


「アスラン!!」


「「「ディアッカ!!!」」」


……


………


………えっ??


わたし以外、変な事を言っているぞ???


と思い、周りを見ると……


「ディアッカ、地球に来てたんだ」


「きっとミリアリアさんを追って…、一途な方ですわ」


「ディアッカ君、元気にしているかしら?」


「あの皮肉屋か……。まあ、根は悪い奴じゃないしな」


わたし以外、全員がディアッカの事を…、って!?


違う!?


違うだろ!!


「どうしてディアッカなんだ!? 違うだろ! アスランだろ!!」


本能的に全員を睨みつけ、怒鳴ってしまった。


しかし当然だ。


【赤の騎士】と言ったら、どう考えてもアスランだろ!?


ところがだ……


『な、なんだ…、この視線は……?』


艦橋(ブリッジ)にいる全員が、何とも表現しづらい目でわたしを見ている。


というよりキラ……?


何だ、その…、哀れみに満ちた目は……!?


「カガリ…、気持ちは分かるけど……」


キラは大きく溜息を吐き、言いづらそうに言葉を吐いた。


「現実から逃げちゃダメだよ……」


おい、おまえ……


「わたくしも、キラと同じですわ……」


と思ったら、ラクスも悲痛な眼差しを向けている。


「気を…、確かにお持ちください……」


「ちょっと待て!?」


わたしの頭の中で、何かが弾けた。


「おまえ等……、わたしに喧嘩売っているのか!?」


「な…、なに怒っているの、姉さん……?」


「何が、姉さんだ!?」


思わずキラの胸倉を掴み上げてしまった。


だけど、これは当然のことだ!


「言っていい冗談と悪い冗談があるだろ!!」


「冗談なんて言ってないよ……」


「何だと!?」


本能的に右腕が上がった。


だが、キラは殴られて当然の事を言ったんだ!


殴られて当然だ!


「やめてよ、姉さん!」


右腕を振りぬこうとした瞬間、キラの叫んだ。


「騎士は愛する人を置いて消えてりしないよ!」


「……、えっ……?」


「キラの言うとおりですわ」


キラの言葉に思わず腕を止めた瞬間に、ラクスが間に割って入った。


「愛する人の窮地に駆けつけない人が、騎士であるはずがありませんわ」


「ラ…、ラクス……??」


「キラとラクスの言うとおりだな」


今度はバルトフェルドがコーヒーを啜りながら、呆れ加減で呟いた。


「惚れた女を放ったらかしてどっかへ行く奴が騎士なんて……。僕には到底理解できないね」


バ…、バルトフェルド……!?


わたしはキラから手を離し、バルトフェルドに照準を定めようとした。


ところが……


「カガリさんには悪いけど、私もキラ君たちと同意見だわ……」


ラミアス艦長までもが、眉間に皺を寄せた顔で呟いた。


「カガリさんの事が大事なら……。それが今頃になって……」


「本当です、マリューさん!」


キラが服装を直しながら、言葉に怒気を込めた。


「姉さんがあんな目に遭ったのに……、それなのにアスランはっ!」


「アスランは先の戦争で、何を学んだのでしょうか……」


乗ずるようにラクスまでもが毒づく。


「女性の気持ちに疎すぎるにも…、ほどがありますわ……っ!」


……


確かに分かる……


確かに、おまえ達の気持ちは分かる……


でもな……














だけどな……























「おまえ等、言いすぎだぁぁぁぁぁぁぁっ!!」






















《あとがき》
アスラン懺悔シリーズ序曲。24話より…

24話のミリィの通信が届いたシーン。
オレはカガリが台詞を言う前に「ディアッカ!?」と真顔で叫んだぞ。ホンマ、マジで…(汗)
ってか【赤の騎士】って…?
自意識過剰も程があるぞアスラン…
しかし、それでもカガリにはあんなのでも【騎士】なんだよね…
この直後、嫌って言うほど現実見せられるのにさ…(涙)

断っておきますが、これは序の口です。
本編は、これとは比べ物にならないほど黒々しく、毒々しい内容になります。
興味本位で見てしまったアスランスキーの方は、絶対に見ないでください。
しかし奴は…、それだけの罪を犯したのです!!

では次回予告。三石さんボイスで読んでください(笑)
《雰囲気を出す為に、反転してあります》


次回【戯言】



真実を語れぬ偽りの騎士を討てっ! ミリアリア!!』



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