『さて…、いかがいたしましょうか……』
ラクスは現状打破に頭を悩ませていた。
時間はちょうど朝食時、場所はキラの部屋。
そのキラはベッドの上で布団に包まっている。ちょうど縁側で昼寝をしている猫の様に……
ラクスはキラを起こしに来たのだが、キラは全く起きる気配がない。
季節的にもキラの気持ちは良く分かる。
それでも、起きてくれないと一日が始まらない……
『とりあえずは……』
良いアイデアが浮かばなかったラクスは、とりあえず正攻法に出る。
「キラ、朝ですわ。起きてくださいな」
柔らかな声で言ったが、反応なし。
「朝食の用意が出来ていますわ。ですから起きてくださいな」
少し声を大きくしたが、反応なし。
「早く起きないとカリダさんに怒られますわ」
さらに声を大きくしたが、やっぱり反応なし。
これでは無理であると悟ったラクスは、強攻策に変える。
「キラ、いい加減に起きてください」
ラクスはキラの傍へ行き、丸くなっているキラの身体を揺すった。
ところが、これでも全く反応なし。
「起きてくださらないと…、怒りますわ……っ」
強い口調で言いながら、大きくキラの身体を揺するラクス。
「……んっ? ラク…ス……?」
キラは頭だけを布団から出し、寝ぼけ眼でラクスを見るが、
「あと5分だけ……」
ラクスの顔を見た途端、また丸くなってしまう。
これには、さすがのラクスも……
「いい加減にしてくださいっ!」
ラクスは怒鳴るや、布団をしっかり掴み、そのまま布団をひっぺ変えした。
「子供ではないのですから、いい加減に起きてくださいっ!」
「じゃあ…、ボク…、ラクスの子供になる……」
「そ…、そういう問題ではありませんっ!」
ヒートアップするラクスに対して、キラは依然として寝ぼけモード。
全く持って埒があかない……
『致し方…、ございませんわ……』
ラクスは大きく溜息を吐くと、最終手段に出る覚悟を決めた。
それは……
『カリダさんのご苦労…、身に染みて分かりますわ……』
ラクスは、こっそりと忍ばせていたフライパンを手に取り、それを両手でしっかりと握り締め……
『キラ…、貴方が悪いのですわ……っ』
まるで剣の様に大きくフライパンを振り上げて……
「キラ! 起きなさ〜〜〜〜〜〜いぃぃぃっ!!」
ゴンッ! っと鈍い音が部屋に響き、
ドスンッ!! ゴロゴロゴロゴロ……
何かが落ちた音と、何かが転がる音が聞こえた………
《あとがき》
まずは8・9月と《月間キララク》休んでしまいまして本当にごめんなさい…(土下座)
パッとしなかったというか…、見事にスランプでした…。
さてさて10月。
そろそろ布団から出るのが辛い季節になってきましたw(微笑)
今回はラクスがキラを起こす話なのですが…、武力行使かよっ!
夜流田さんは、朝方人間になっちまってるので冬でも朝は起きれます。
もっとも休みの日の朝は基本的にキラと一緒ですね…。
それにしても、私が書くラクスは日に日に武闘派になってる気が…?(今さらの事か?)
でも、ラクスにシバかれるんだから別にいいじゃないw
ちなみにラクスがフライパンを使っているのは、ちょっとしたネタ。
分かる人は笑ってくださいw
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