今日は母の日―――


とは言っても、これといって特別な事はありませんでした。


いつもと同じようにラクスと一緒に菜園の手入れをして、のんびりお茶をいただいて。


その間は私達の代わりにキラが家の事をして。


ご飯も皆と一緒、楽しい楽しいひと時。


それでも、私は何一つ不満ではありません。


私にとって毎日が母の日と同じ。


キラとラクス……、二人が仲良く過ごしているだけで私は満足です。











◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇











『よっこいしょ……』


私は日記帳を閉じ、床につこうとしました。


その時、


トントントン


「母さん、起きてる?」


ドアの向こうからキラの声が聞こえてきました。


「あらあら、どうしたの?」


私はドアを開け、キラを招き入れました。


「うん。ちょっとね」


キラは落ち着いた顔で私を見ています。


「その分だと、ラクスと喧嘩したって訳じゃないようね?」


「そんな訳ないよ」


キラは私の冗談をさらりと流しました。


ですが、顔は冗談を真に受けた時の顔になりました。


「ボク…、母さんに謝らないといけない……」


「えっ?」


「今日…、母の日だよね……」


キラは本当に申し訳ない顔で私に言いました。


「プレゼント…、用意できなくてゴメン……」


「あらあらまあまあ……」


私はキラの答えに軽く息をつき、キラの頭を撫でました。


「そんなの……、気にしていないわよ」


「でも母さん、楽しみにしてたじゃない……?」


あら?


私、キラにプレゼントのリクエストをした記憶はないわよ。


でも、キラの言い方は私がリクエストしたような言い方をして……


「でも、来年ぐらいにはきっと母さんに見せられるから……」


「キラ…、何の事を言っているの???」


見せるって? 何のことなの??


ところが、キラはそう言うとくるりと背中を向けました。


そして、ドアを開けて……


「………、から……」


「……えっ!?」


キラは部屋から出て行ってしまいました。


ですが私はキラが部屋を出る時に残した言葉に肝を潰され、身動き一つ出来ませんでした……。


『キラ…、あなた……!?』


頭の中でキラの言葉がぐるぐる回ってしまっています。


『そ…、そんな……』


キラが…、あの大人しくて女の子みたいなキラが……


『で…、でも……』


もしもキラが言った事が…、いいえ……


キラが宣言した言葉が現実にしてくれるならば……


『キラ……、頑張るのよっ!!』


私はすぐさま机に向き、日記帳を取り出しました。


そして、すぐに今日の日記につけたしました。











◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇











キラとラクス……、二人が仲良く過ごしているだけで私は満足です。


と言うのは嘘です……


私には欲しいものが一つあります。


今年はそれを手にすることが出来ませんでしたが、キラは私に宣言しました。




















『来年には絶対に孫を抱かせてあげるから……』



















《あとがき》
5月は母の日、なのですが……
キラ・ヤマト(19) 爆弾宣言!!!
《放送年で1つ年をとっている計算です》

この前に去年の【月間キララク5月】を読んでいただけると、私の意図が読み取れるかと♪

映画化が決まり、10%の期待と90%の不安に襲われている夜流田さん。
《オレは福○監督を信じられない人なので…(爆)》

私が望む未来ならまだしも、もしもそうでないとなると……
ちなみに来年春公開との事で、これは一刻を争う事であります!

もう躊躇している暇はありません!
近日中に、BIGプロジェクト計画を発表します。
詳細をお待ちを!!




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