『あのバカ……』


ミリアリアは胸ポケットに忍ばせている一枚の写真を取り出した。


写っているのは褐色の肌の、金髪の男。


皮肉屋だけど、真っ直ぐで優しい男。


そして、あの戦争で手に入れたかけがえのない人……。


『ディアッカ……』


写真を見つめ、大きく息を吐いた。


戦争終結後、ディアッカはプラント復興の為に帰った。


自分もまた、過ちを記憶し伝える為にカメラマンになった。


互いに選んだ道。後悔はしていない。


だけど二人の距離はあまりにも遠い。


この2年、会うどころか連絡すら満足に取れない。


ディアッカの近況を知る手段、それは風の便りだけ……


『忙しいのは分かるけどさ……』


思わず写真に睨みつけてしまう。


あの時、散々私の事でオロオロしてたくせに!


散々、私を口説いてきたくせに!


こんな私を、「好きだ!」って言ってくれたのに……


『たまには会いにきなさいよ……』


ため息ばかりでてしまう。


でも心のどこかで思い描く自分がいる。


近い将来、憎まれ口を叩きながら自分の前に現れるディアッカの姿を……。


『その時は……』


写真のディアッカに微笑みかけ、その顔を指でパチンとはねた。


『思いきりぶったたいてやるんだから♪』




















《あとがき》
24話のミリアリアから。
アスランにディアッカの事を言われて、ミリィが顔をしかめた理由は私としては、
『2年間カガリと一緒にいたくせにカガリを放ったらかして、ザフトで年下の娘に手を出し、
挙げ句にラクスの偽者と濃厚な一夜過ごしたあんたに言われる筋合いなんてないわよ!』ですよね(笑)
《最近、私のアスラン株は暴落の一途を辿っております》

でも、まあしっかり者のミリィです。あまりアスランが図に乗れば、
あの、決定的写真《メイリンの腰に手を回したところ》を突き出せばいいのです!
これでアスランはなにも言えませんから(ひでぇ)

早くディアッカ来ないかな〜〜〜
早くディアミリみたいよ〜〜〜〜
ミリィの尻に敷かれるヘタレなディアッカ見たいYO〜〜〜〜(男の鏡だよ、ディアッカ)



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