『俺は……』


ぼんやりと上を眺めた。


どうやら医務室の様だ……


『生きて……っ!』


そうだ!


メイリンは!?


メイリンは無事なのか!?


起き上がろうとした途端、激痛が全身を駆け巡った。


「ぐっ……」


「気がついたのようだな」


激痛に耐えられずそのまま体を倒すと、聞き覚えのある声が聞こえた。


「久しぶりだな。アスラン」


「あな…た…は……!?」


自分を覗き込む褐色の肌の男。


間違いない。


レドニル・キサカさんだ。


「間一髪だったぞ……」


キサカさんは近くに椅子に腰を下ろし、軽く息をついた。


「あと少し、発見が遅ければ水死していたぞ」


「………」


そうか……


キサカさんが俺を助け……っ!?


「メイリンは! 彼女は!?」


そうだ!


メイリンはどうなったんだ!?


「案ずるな」


キサカさんはほんの僅かだけ表情を柔らかくした。


「連れ添いの娘も無事だ」


「あっ……」


「意識はまだ戻っていないが、命には別状はない」


ああ……


良かった……


メイリンが…、彼女は無事なのか……


「ところでだ、アスラン」


安堵する俺に対し、キサカさんは鋭い眼光を俺に向けた。


「姫を…、カガリを護るべき君が何故ザフトにいた?」


「………」


「……まあいい」


キサカさんは表情を変えず、席を立った。


「その事は、後でゆっくり聞く」


「すみま…せん……」


「今はゆっくり休みなさい」


キサカさんは、そう言い残し部屋を出て行った。





……


………


『無事で良かった……』


激痛が走らないようにゆっくり身体を起こし辺りを見渡すと、すぐにメイリンの姿を確認できた。


『本当に良かっ……』


良かったのか……


本当に良かったのか……?


間違いなく、メイリンには反逆者の汚名が着せられている。


そして、姉であるルナマリアにも当然疑いの目が向けられる……


『良かったのか…、本当に……』


選択肢はなかったのか?


メイリンを残す選択肢は…、なかったのか……


いや、なかった……


あの時、レイはメイリンを殺そうとした。


仲間であるメイリンを躊躇することなく撃った。


そして、シンも討った。


俺を…、


メイリンを……


『確かに、おまえ達は強い……』


MSの性能差はあったにしても、あの強さは本物だ。


しかし、あの強さはハーメルンの笛だ。


世界を破滅へと導く狂気の奏だ……


『絶対に止めなければ……』


だが、どうすれば止められる?


あの狂気を…、あの暴威を……


何もない俺が……!?


「ア…ス…ラン……」


ふっと、俺を呼ぶ声が聞こえてきた。


「あなた…、だけは……」


『メイリン……』


そうだった……


俺は持っている……


あいつ等には絶対に持ち得ない物を持っている……


『絶対に護ってみせる……っ!』


愚かと言いたければ言え!


生き恥を曝すことになろうと構わない!


例え、この身が朽ち果てようとも構わない!


俺は最後まで戦い抜く!


こんな俺を助けてくれる全ての人々を……


そして……








俺の…、俺だけの……














カガリを……
































《あとがき》
37話終了後を妄想

我が願い叶わず、アスラン撃墜される……
やはり、MSの性能差(それも2機で寄ってたかってさっ!)は埋められんか……
でも、何とか2人とも無事だったので良かった……
《ってか、これでメイリンが死んだら俺は絶対に許さなねぇぞ!!》

何か、書いててアスメイっぽくなってしまいました。
でも、管理人はアスカガです!
《メイリンには申し訳ないが…。いい男が現るよ、きっと》

私事ですが、ただいま夏コミ原稿の状態、非常にマズイっす!
WEB拍手から私を励まして!
オレ、励まされると頑張れる子だからSA!
《すいません、こんな弱い子で……(汗)》


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