展望デッキから見えます深海の光景。


独りで見るときでも綺麗とは思いますが、一緒に、


キラと一緒に見ていますと、何故か懐かしく思えます。


そう、思えばこの場所が、


わたくしとキラの始まり……








―――――――――――――― 始発点 ――――――――――――――――








「ラクス」


キラは窓の向こうを見つめたまま聞いてきました。


「こういうのって嫌…、かな……」


「こういうの、とは?」


「だから…、こう…、いうの……」


そう言うキラの顔、どことなく赤いです。


あっ、そういう事ですか。


「そうですわね……」


わたくしはわざと腰元を、回されたキラの手をじっと見ました。


「もう少し、ですわ」


「もう少し…、って……」


「ですから、もう少しですわ♪」


ほんの少しだけ身体をキラに寄せました。


そうしますとキラの手に力が入り、ぐっと身体を引き寄せました。


「恥ずかしいよ……」


キラは顔を真っ赤にして、呟きます。


「こんな所、誰かに見られたら……」


「よろしいではありませんか」


キラの顔を見上げ、少しだけ不機嫌そうに言いました。


「それとも、こういうのはお嫌いですか?」


「そ、そんな事ない、けど……」


「でしたら、もっと自信を持ってくださいな」


「う、うん……」


その返事は自信の欠片もございません。


『キラったら……』


キラは普段、本当に受動的です。


ですがここっていう時、必ずわたくしの傍にいてくれます。


わたくしに踏む込んできてくれます。


『あの時もそうでしたわ……』


ふっと、キラと初めて出会った時の事を思いだしました。


あの時、わたくしは【ザフトの歌姫】でした。


誰もがわたくしを【ザフトの歌姫】として見ていました。


【ラクス】としてではなく、【ザフトの歌姫】としてでしか見てくれませんでした。


ですが、キラだけはわたくしを【ラクス】として見てくれました。


『そして今も……』


キラはわたくしを【ラクス】として…、いいえ違いますね。


【キラだけのラクス】としてわたくしを見てくれています。


「キラ……」


服の上から伝わるキラの温もりをしっかりと確かめ、告げました。


「世界の誰よりも、愛していますわ」


「……」


キラ!!


どうして黙っているのですか!!


どうして即答してくれないのですか!!


『キラ! どうし…っ!?』


思いきり怒鳴ろうとしましたが、出来ませんでした。


私が声をあげる前に唇を塞がれ…、


キラの唇で塞がれまして……、


「これがボクの答えだよ♪」


キラは誇らしげな顔で言いました。





……


もう、キラったら!


それは反則ですわ♪










《あとがき》
26話を完全妄想。
ラクス攻勢と見せかけてキラのカウンター炸裂!(笑)
普段、夜流田は「キラは受けだ!」と言ってはおりますが、攻める時はきっちり攻めますYO!
特に前回で某A・Zさんが、あんな事しでかした後ですからね…
《Aさん株は急落の一途。バブル期の株価なんざ比ではありません!!》

それでもこの後しっかりキラはフリーダムで追っかけましたが、それはそれでGOOD♪
でも、小説のタイトルと内容がかなりズレた気が…
気にしない、気にしない。
キララクがラヴラヴなら全くもって問題なし!(誤魔化すでない)





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